Skip to content

究極対至高 ドネアvsリゴンドー

2013年4月13日

発表会見での二人。お洒落レベルも高い。

いよいよ現役軽量級の頂上決戦が迫ってきた。世にタイトルマッチは数あれど、心の底から頂上決戦と言い切れる大一番はそうそうあるものではない。よくぞこのタイミングで実現してくれたと賞賛したくなる。

今更この二人にあれやこれやと解説は不要だろう。片や五年以上に渡り軽量級のパウンド・フォー・パウンドとして君臨してきたフィリピンの英雄。片や二度の五輪金と二度の世界選手権金に輝いたアマチュア界の「神」。プロとアマ、二つの世界の頂点が真の頂点をかけて激突する、いわば究極vs至高。漫画の世界のクライマックスのような珠玉のシチュエーションだ。リオスvsアルバラードを原始的な殴り合いとしての拳闘の象徴とするならば、こちらは百年余りをかけて進化してきた現代ボクシングの最新型であろう。

考察の前に気になる数字をいくつかピックアップしてみる。

  • ドネアのファイトマネーは132万ドル。リゴンドーは圧倒的なキャリアハイの75万ドル。
  • 公式計量はドネアが121.6ポンド、リゴンドーが121.5ポンド。
  • 会場となるニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールは80年余りの歴史を持つ非常に有名な観光名所。その名の通り本来はコンサートなどのイベントのために使われ、ボクシング興行開催は史上二度目。6145枚のチケットはめでたく完売した。
  • オッズはドネア勝利がおおよそ1.4-1.6倍程度、リゴンドー勝利ならば2.7-3.2倍程度。ドローなら20倍以上。

チケット完売というのは特に嬉しいニュースだ。二人ともニューヨークでそれほど大きなファンベースがあるわけではないのに6000枚以上が売れたのは、ひとえに試合自体のクォリティの高さゆえだろう。(ちなみにドネアvsナルバエスがニューヨークだったが、ドネアの試合の多くは西海岸開催。)日本での話題性は外国人同士の試合としては圧倒的であり、同日に行われる細野vsクリス・ジョンが完全にかすんでしまっている。なんといっても西岡がドネアに挑み完膚なきまでに散ったあの一戦が鮮明に記憶に残る中でのこの頂上決戦なのだからそれも当然だろう。

さてそれではいざ開始のゴングがなればリングの中では何が起きるのだろうか。大方の予想では序盤はチェスマッチになり、徐々に均衡が崩れていくと考えられている。あるいはどちらかの唐突な一撃がズバン! と炸裂しそれで終わりかもしれない。たとえ静かな展開になったとしても一瞬たりとも目を離すべきではない。それだけの決定力を両者が持っている。

その中でも有利と見られているのはやはりドネアだ。なんといってもプロでの実績が違う、戦ってきた相手の質が違う。その上リゴンドーは決して打たれ強いとは思われていない。一撃で効かされるリスクがより高いのはリゴンドーの方だ。攻防のバリエーションの豊かさ、ボクシングの幅の広さもドネアに軍配が上がるだろう。不測の負傷があっても戦術チェンジなどでより柔軟に対応できるのはドネアだ。攻めて良し守って良し、心技体どこにも隙がない、まさしく全盛期を謳歌しているのが今のノニト・ドネアだ。ちょっと気になるのが今回に限って相手を軽視・挑発するような発言が目立つ点。今までの優等生キャラとは随分違う。ひょっとしたら入れ込み過ぎという可能性も?

リゴンドーは「神」とさえ呼ばれた男である。フットワークひとつとっても、もはやそれをフットワークと呼んで良いのかと思ってしまうほど他の選手とは違う。あえて言うなら達人の脚さばきではないだろうか。超一流ボクサーの理合に満ちた動きを見ていると、ああきっと古えの達人もこんなのだったのかなあと思う時があるがリゴンドーは正にそれだ。たとえパワーやスピードなどの能力を数値化することができたとしても、この理合の部分だけはデジタルにはならない。どんな相手でも毒針のようなカウンター一発で終わらせてしまう神秘の力がエル・チャカルにはある。公開計量でも相変わらずの無愛想ぶりだったが、心は既にリングの中なのかもしれない。

まったく、こんな二人が戦うのだから遠い海の向こうにいる僕達がエキサイトするのも当然だ。長いことボクシングファンをやっていても“スウィート・サイエンス”の粋をこれほど味あわせてくれるマッチメークは滅多に見られるものではない。明日は会社の呼び出しも恋人とのデートも断ってテレビの前に正座すべきである。

軽量は両者とも一発クリア

計量は両者とも一発クリア

適当予想:リゴンドー6RKO勝利

広告

From → プレビュー

2件のコメント
  1. KOKO permalink

    ドナイレはリゴについては、コルドバ戦でダウンしてランニングマンになってたので、最初あまり興味なかったといって、メディアに出てくる発言は強気なものが目立ちましたね。しかしその後試合が決まったからか?他の試合も見たのか、見れば見るほどリゴの強さが分かってきた、みたいに試合が近づいてプロモーションの意図もあってか(笑)相手をリスペクトする発言も出ましたね。
    チケット売れたのは良かったですね。ドナイレは9歳からアメリカに住んでるそうですし、ほぼアメリカ人みたいなものですよね?それでも今までの試合でもそんなに客入ってなかったのに、相手はキューバ人で場所もNY・・・
    良い試合だから客が入るとは必ずしも言えませんが・・・やはり今回は特別感が最上級といえるからかもしれませんね。メイウェザーVSジュダーでも、身体能力ではメイウェザーをも上回ると言われたジュダーを、多様性、総合力でメイウェザーが切り崩していきましたが、この試合はどうなるのか、本当に楽しみです。

    • 一応在米キューバ人は大勢いるんですけど、彼らの多くは共産革命を嫌って逃げてきた資産家やビジネスマン系の人たちでボクシングには関心が薄いらしいですね。蓋を開けてみればフィリピン系の観客が会場を埋め尽くしていました。今後もフィリピーノがアメリカで活躍する土壌は多いにあると言えそうです。
      試合、凄かったですねえ。地味地味だったかもしれないけど僕は大満足です。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。