Skip to content

ガルシア、ジュダー、マルチネス他 週末ファイトフラッシュバック!

2013年4月28日

毎週がファイトウィークな昨今、もちろんこの週末も世界各地で熱い戦いが繰り広げられた。一戦一戦詳しく書いているときりがないので一気にざざっとまとめてみる。

デオンテイ・ワイルダーvsオードリー・ハリソン

ワイルダー大明神のありがたいノックアウトパンチが今日も炸裂した。倒され屋のハリソン相手とはいえやはりこの男のパワーは別格。事実上の決め手となった最初の右ストレートの破壊力もさることながら、最後に空振った左アッパー(アッパー?)の風切りぶりに背筋が凍る。この男に限っては技術がどう基礎がどうは余計なお世話かもしれない? 本人は試合後、ハリソンと同じ英国の巨人タイソン・フューリーとやりたいと語った。

wilder-harrison (2)

アミール・カーンvsフリオ・ディアス

カーンの試合は面白い。それは本人がスピード感抜群で攻撃的だからということもあるし、あの悲しいほどの打たれ弱さがいつ倒されてもおかしくないスリルを常に提供するからでもある。この試合においてもほとんど完勝ペースだったのが唐突な一発で効かされ大ピンチに陥る場面が幾度となく見られた。これからもカーンの試合は一寸先が闇の綱渡りファイトが続くだろう。自身のグラスジョーが客を沸かせるセールスポイントになるという稀有なスターである。これは皮肉でもなんでもない。だって面白かったでしょ?

セルヒオ・マルチネスvsマーティン・マレー

あわや世紀の大逆転KO負けとなりかけたチャベス戦から7ヶ月。膝の手術という試練を経てリングに上った“マラビジャ”がついに己の老いと直面する時が来た。これまで彼は被弾を浴びても抜群の反応と細かいムーブによってヒットを浅くし、ダメージを軽減させることができていた。だから意外に高い被弾率にも関わらず並み居る強打者相手に真っ向勝負で打ち勝つことができた。しかしこの試合ではついに生命線となる反応速度と脚の運動量にはっきりとした陰りを見せる。それほど速いわけでも変則でもないマレーのパンチを捌ききれない。それどころかロープからロープに追い込まれ攻勢を奪われ続ける。それでも判定を拾えたのはもちろん卓越した技術の蓄積のなせる技だが、“アルゼンチンのマーベラス”としてのキャリアは重大な岐路にさしかかったと言わざるをえない。どうやらこれで引退するつもりはないらしく、負傷した拳の治療を含めた休養をとって来年復帰する意向のようだ。名選手は一旦終わったと思われたところからもう一度輝くと言われるが、はたして2014年、39歳となるセルヒオ・マルチネスは我々に何を見せてくれるだろうか。マレーはビッグ・アップセットにあともう少しまで迫りながら、最終盤でペースを落としたことが判定において致命的だった。スーパーアウェーの地で勝ちきるということがいかに難しいかを示す羽目になってしまったが、必ず再び大きな舞台にお呼びがかかるだろう。

Martinez_Sergio_vsMurray_juan_mabromata_afpgetty

ピーター・クイリンvsフェルナンド・ゲレーロ

クイリンのパンチは実によく効く。純粋な破壊力という点ではゴロフキンの石斧のような剛拳に一歩譲るだろうが、人間の脳を揺らす機能という点ではあるいはこの“キッド・チョコレート”が上をいくかもしれない。それほどクイリンのパンチを受けたボクサーは例外なく腰砕けにされてしまう。もちろん威力だけではなくそれを炸裂させるためのセンス、当て勘もさすが世界王者を名乗るだけのものを持っている。ボクシングをやるために生まれてきたような素質の持ち主といってもいい。今すぐビッグマッチに挑めば経験不足を露呈するかもしれないが、そういうちょっと不安定なところも魅力の一つだ。この試合はまさにクイリンにとってのベストパフォーマンス、ショーケースファイトだったと言える。敗れたゲレーロは素晴らしい闘志を見せたが、パワーの違いは歴然。結果的にはクイリンの華やかさを引き立てるばかりだった。

ダニー・ガルシアvsザブ・ジュダー

ある意味ではジュダーほどファンから愛されているボクサーはそうはいない。彼のおバカなところ、輝ける才能を浪費し続けてきたところ、ここぞという大試合で必ず負けるところ、そして終わったと言われる度また這い上がってくるところ。ザブ・ジュダーはレジェンドではないかもしれないが、彼ほど応援したくなる男は少ないはずだ。この試合はなんだかそのジュダーの集大成を見せられているようだった。好調な序盤、ボディを効かされ劣勢になる中盤、そしてビッグショットで完全に傷めつけられリングをさまようジュダー……。もはや何度目かわからないデジャブ。これで終わったと誰もが思ったことだろう。もちろん僕もそう思った。だがこの日のジュダーはここからが違った。ラスト3ラウンド。ジュダーの伝家の宝刀である左が幾度となく突き刺さる。威勢よくフィニッシュしようと目論んでいたガルシアは逆に効かされ試練を味わうが、同時にタフネスと精神力を証明する。ジュダーは戦前何度も言っていた。かつての俺は愚かだった、俺は生まれ変わったんだと。それを証明するかのようなジュダーの執念。1万3000人の大観衆が沸騰する。そして迎えた最終ラウンド、ポイントでは完全に勝っている上に11ラウンドで手痛いダメージを負ったガルシアが、そんな必要などないのに前進し強打を振るう。真っ向迎え撃つジュダーの左右が火を噴く。もしかしたらあるいは。そんな期待はしかし届かず無念の最終ゴングが鳴り、判定は三者一致で王者の防衛を支持した。結局ジュダーは敗れた。ビッグマッチで必ず負ける、それは事実だ。だけど今日の彼はそんな一文ではとても表せない最高の試合を見せてくれた。彼はやっぱり“スーパー”だ。

garcia-judah (4)

広告
6件のコメント
  1. 耳年増 permalink

    初めてブログ拝見しまして&初コメです。
    とても明朗で的確な試合分析に共感してしまいました。なるほど、と思わず首を縦に振る文章のお上手さ、時に混じったユーモアも読み手には楽しいものでした~。

    ホプ爺は妖怪ですねww向こうの記事では試合前にジュダーがその妖怪さんから学ぶことが多かった、と珍しく優等生なコメントしていましたが(笑)

    マルチネスも衰えを技術で補えないターニングポイントに来たのでしょうかね…しかし同年代のマルケス兄はまだまだやる気……。ブラッドリー戦は果たしていかに♪

    以降たびたびお邪魔して読ませていただきますね(*・ω・)*_ _))ペコリン

    • どうもありがとうございます。
      ホプキンス氏に関しては妖怪よりも老師という呼び方を流行らせたいです(笑)。
      マルケスはどうなんでしょうねえ。そもそも彼がウェルター級でやってる事自体が冗談のような話なんですが、さてはてこの先はいかに。

  2. hanasora permalink

    管理人の主宰者様へ。
    あなたの試合分析にはいつも感心させられます。
    そのほとんどが私と同じ見方であることに感動すら覚えます。
    ただ、もし、自分と意見が違っても、僕はこのサイトを見て同じように感動するでしょう。
    それは、あなたが真剣にボクシングを見て、真剣に語ってくれるから。
    これからも陰ながら応援しています。

    ジュダー戦の感想・見方は、寸分の違いもなく同感です。ありがとう。

    • とても励みになるコメントありがとうございます!
      ジュダーには胸が熱くなりましたねえ。

  3. KOKO permalink

    マレー・・・またしても惜しい試合。応援したくなります。マルチネスはこの年で膝の手術というのが影響してしまった、というか影響がない方がおかしいですかね。手術して治っても以前と同じように動けるとは限らない。下半身はアスリート、アウトボクサーにとっては特に生命線ですし。負傷箇所は違いますが、西岡なんて25歳で、脚自体は完治しても意識、感覚がもどらず苦しんだそうですしね。GGGとやったら倒されそうですね・・・偉大な王者もいつかその日が来ますね。

    • いつまでたっても「その日」が来ない48歳もいますけど、彼は一体何者なんでしょうねえ(笑)

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。