Skip to content

井岡と宮崎、ダブル世界戦決着! そして……?

2013年5月8日

宮崎亮vsカルロス・ベラルデ

20130508-00000064-nksports-000-9-view

素晴らしいワンパンチKOに水を指すようで心苦しいが、こんなに悪い宮崎は見たことがない。足が動かない。動きが緩慢。反応が鈍い。ガードが緩い。攻撃は力任せと褒めるところがない。原因ははっきりしている。減量苦だ。本来ライトフライでも苦しい、井岡より重いぐらいの宮崎がミニマムで戦うのはやはりどう考えても厳しい。よくもまあ前回今回と勝てたものだとさえ言える。ほんの少し運が悪ければ確実にどちらかで負けていた。それぐらい綱渡りの戦いぶりだ。

本来宮崎はどっしりと構えそれでいて脚は軽く、巧みなボディワークとカウンターを交えた厚みのある攻撃で相手を痛めつけて倒す事の出来る選手だ。今回初回から足を止めてまともに打ち合いを挑み、あまつさえ幾度となく効かされたのは(確かに相手も良かったとはいえ)あからさまに減量苦のためであり、もはやこの階級に長く留まり続けるメリットを見出すのは難しい。

ではなぜ5Rに左フック一発で倒せたのかというと、そこはもうタイミングだよね。相手も多少打ち疲れていることを見越して距離を取り、ジャブと軽い右でリズムを作った。そしてベラルデが強引に出てきた所でズドン! まさか一発で倒せるとは本人も思っていなかっただろうけど、いずれにせよ完璧なワン・ビッグショットだった。じゃあ最初からそうすれば良かったんじゃないのと思ってしまうわけだが、事はそう単純ではない。あれほど見事にカウンターが決まったのは打ち合いの中で相手が自信過剰になり強引に攻める姿勢になっていて、なおかつ体には疲労とダメージがあって万全ではない状態だったからだ。最初から引いていたらあの好機はおそらく来なかった可能性が高い。フィニッシュの印象とは裏腹にとにかく危うい試合だった。

今後宮崎がどうするのかはわからないが、個人的にはもうミニマムでは見たくないし、今後のキャリアのためにもこの階級で続けるべきではないと思う。取り返しのつかないダメージを受ける前に本来の階級に戻してほしいなあ。

井岡一翔vsヴィサヌ・ゴーキャットジム

20130508-00000107-mai-000-8-view

まずリング外の話は後に回すとして。

ヴィサヌは何やら事前報道で全然練習してないだのやる気ゼロだのと危ない情報が回っていたので、一体どんなのが来るんだと戦々恐々としてたんだけど、思ってたよりはるかにまともだった。サウスポーの利を大いに生かした遠距離キーパースタイルで、的確なジャブといやらしいボディストレートてチクチクとペースメイク。それでいて接近戦でもなかなか防御が堅くパンチのキレも悪くない。おまけに見た目よりずっと打たれ強い。これはなかなか良いサプライズだった。

しかし終わってみればヴィサヌの健闘自体が井岡一翔の並々ならぬ力量を引き立たせる味付けにしかならなかった。井岡のボクシングは悪く言えば淡々としていて熱量が足りないのだが、それでいてダメージを蓄積させることを怠ることがない。隙がなくてソツがない。ちょっといいのを食ってもラッシュをかけても盤石のバランスと厚い攻め口。じわじわと痛めつけ、時が来たらきっちりギアを上げて仕留める。文句のつけようがない。ミニマム、ライトフライという階級で世界戦6戦全勝4KOという数字は生半可なものではない。「相手が弱い」と言う人はちゃんと調べてから物を言ってほしい。弱いと言えそうなのはせいぜい前回のロドリゲスと1Rで散ったヨードグンぐらいで、あとは全員真っ当な力の持ち主だった。少なくとも結果的には。

しかしコアなファンが満足していない理由ははっきりしている。このヴィサヌよりも遥かに強く、しかも本来やるべきだった男が他にいるからだ。ローマン・ゴンザレス。WBAスーパー王者である彼は今夜のリングに上がっていても何もおかしくなかった。WBAの対戦指令までもが出ていた。入札日まで決まっていながら試合が実現しなかったのは、井岡ジムとロマゴン擁する帝拳ジムが結託して対戦を回避したからであり、およそファンにとって納得の行く経緯ではない。結果として現在のWBAライトフライ級はスーパーにロマゴン、レギュラーに井岡、暫定にロッセルという貫禄の三階建て建設になっている。

まあWBAの腐敗はこの際どうでもいい。しかし井岡は昨年の大晦日に自ら選択してWBA王座を獲得することで、今ある批判を生み出す状況を招いた。これは単なる事実だ。試合後彼は「伝説のボクサーになりたい」と語ったが、そのための方法は明白だ。勝てばヒーローという最高においしい相手がすぐ手の届く場所にいるのだから。

僕がロマゴンとやれロマゴンとやれと言うのはそれで倒されろと言っているのではなくて、勝ち目があると思っているから言っている。もし彼の器がここまでと見ているならそんなことは言わない。よくやったね、よく頑張ったね、それでおしまいだ。それは温かい言葉かもしれないが、本当はすごく残酷な言葉でもある。そこが君の限界だよと言っているに等しいから。僕は井岡の能力を高く評価しているからこそ、それに相応しい相手と戦うことを望んでいる。そしてその相手は目の前にいる。

セルヒオ・マルティネスとフリオ・セサール・チャベスJr. との戦いは、本来やるべき時期から一年遅れることで熟成され空前のメガファイトになった。あるいは今は「その時」をよりハッピーにするためのじれったい待ち時間なのかもしれない。そうだったらいいなあ。

広告
19件のコメント
  1. 通行人 permalink

    俺は飽きた。言いたいこともいったしな。
    あんたが言い返さなければ筆置くぜ。
    随分前の記事で誰も見てないだろう。
    なにしろ「今更」だからな。
    このへんでやめるのが得策だ。
    これからもこのブログを俺は見るぜ。
    ま、応援してくれる人は大切にするんだな。あれはないぜ。
    そういうことでチャオ~

  2. 通行人 permalink

    要するに、表現方法を学べってこと。
    あんたは自分の立場がファミレスのバイトでも上場企業の社長でも、お客さんに「サンキュ!」っていうの?
    「そうですか、僕はそういうふうに思いませんでしたが」っていうのと
    「全然違う。話になりませんね」
    は同じことを言ってますよ。
    それを今後もやんのかって話。

  3. 通行人 permalink

    「言い方」の問題を言っているのですよ。
    あのような言い方をされる人はいないでしょう?
    非常に気分が悪い。
    管理人は神、というのは10年前の発想です。
    bookoffが「買い取ります」から「お売りください」に変わったのと同じ。
    俺の意見に賛同できないヤツはキツイ言葉でお仕置きするという姿勢では続きませんよ。
    先に書いた他のブログの主宰者をあなたが尊敬するのならボクシングの知識でなく、「対応面」でしょうね。

    意見が異なるのは当然あることです。しかし、あのコメントは、管理人風を吹かして、一方的に、断罪したように感じます。
    別にあなたに噛みついた意見にも思えません。
    ただ、持論を述べた人にあそこまでやる神経がわからない。

    いろんなボクシングのブログを見てきましたが、このブログの主宰者は一定のレベルを超えた持論を持っている。
    要は、あなたは貴重な人材だ。
    特に、リゴンドーの記事については、揺るぎない主張を持っていて気持ちよかった。
    それが、ちょっと自分の意見と違うことを書いた人に、あそこまで攻撃することで、異常にがっかりしてしまいました。

    ま、答えはいずれ出るでしょう。
    あのような断罪を繰り返せば、いずれ閲覧者はなくなります。
    言葉は「詭弁」で操れますから、今後どう対応されるかですね。

    返信はいりません。
    削除されても構いません。
    お好きなように。

  4. 通行人 permalink

    他のブロガーさんの対応を見て少しは勉強されたらどうですか?
    ちょっと自分が気に入らない書き込みがあったからと言って、あそこまで書く人はいませんよ(笑)。
    gokunさんにしてもボクシングマスターさんにしても柔らかく対応してます。
    しかも管理人さんは知らないかも知れませんが、あなたが攻撃された人はあなたの大ファンだと
    前に書いていますよ。コメントを確認されればよいかと思います。
    AとかCとかいうから昭和生まれなんでしょう。もう少し大人になりましょう。
    ま、自分の気に入らない意見のヤツは断罪させてもらうって姿勢ならそれもいいでしょうが。

    >今更感漂いますが、

    このセリフにあなたの傲慢さが出てますね。
    僕は今日初めてこのブログを見ましたから。
    いけませんか?

    • いいえ、全く構いません。ただhanasora氏とのやりとりそのものは終わっている以上、僕の答えは「それは終わった話である」ということが前提になります。僕が反省するかしないかはまた別問題ですが。
      Gokun氏やボクシングマスター氏のことは尊敬していますし、何度もサイトを訪問させていただいています。それと僕のサイトで僕がどう振る舞うかということについても別問題です。

      hanasora氏に以前から当サイトを愛読いただいていたことは当時から承知していました。今でもありがたい読者だと思っています。
      また氏に対する返答が「断罪」「攻撃」であったという意識は一切ありません。氏の当該コメント一点において僕の考えは異なるということを述べたまでです。
      『自分の気に入らない意見のヤツは断罪させてもらう』そのようなつもりは一切ありません。第一どこにも罪がありません。僕の記事に対して批判的なコメントがあっても一向に構いませんし、排除しようとも思いません。しかし反論はします。それを断罪とおっしゃるのでしたら根本的に価値観が異なるというだけです。

  5. 通行人 permalink

    正直、hanasoraさんの件については管理人が大人げない。
    あなたのサイトのファンとして訪れている方にのっけから攻撃的なセリフで断罪するってのは他のボクシングブロガーさんには見られないですね。
    中身についても、どうかな。
    今のご時世、WBCもWBAもない。強いヤツとは戦うべき風潮です。
    いまさら団体を持ち出した時点で詭弁確定ですよ。

    • ええっと、なんだか今更感漂いますが、その件で僕が大人気なかったというのはそうかもしれません。拝聴いたします。

  6. 匿名 permalink

    ファンや井岡陣営もロマゴンとやるのは早いとか言ってますけど、一翔は世界チャンピオンですよ、世界で一番、早いと言うのであればチャンピオンになるのも早かったということ。
    最近の日本ボクシングは注目されているだけに悪い方向に向かっている。
    日本タイトルの延長のような日本人対決はもうけっこうです。
    世界で認められる日本人チャンピオンの誕生を楽しみにしています。

    • >世界で認められる日本人チャンピオンの誕生を楽しみにしています。

      そうですね。

  7. マンソン permalink

    私のモヤモヤの理由もジーコさんといっしょ!
    しかも、井岡ならロマゴンを12R空転させられると思うんだけどな~

    • 現時点で有利か不利かっていったら、やっぱり不利予想はついて回ると思います。
      それほど大きな差があるわけでもないと思うので、井岡サイドの戦術選択は大きな鍵になるでしょうね。

  8. モンチッチ permalink

    それはいいように考え過ぎですよ!

  9. 世界戦はもう そこらへんの試合 permalink

    チャンピオンとは、なんぞや?

    >>育てる過程というのはあるはずで、時期じゃないのに無理なマッチメークで将来のある選手を潰す愚はありません。

    今のボクシング界を表していますね 成長過程の選手が無難なマッチメークでチャンピオンでいられるのだから、チャンピオンとは挑戦を受ける立場の者じゃないの?
    チャンピオンだからってその団体で一番強いのではなく、TV放送に必要な単なる冠という認識で どんな弱い挑戦者でも”最強挑戦者”や”無敗の挑戦者”って具合で勝手に盛り上がってるオナニーそのもの

    こんなことを続けてるとどこぞやの兄弟とファンからも同じ扱いされますよ
    「伝説のチャンピオンになりたい」発言なんぞ 確信犯でボクシングファンを馬鹿にしてる

    • ええっと、内容はさておき、hanasora氏との会話はあれで終わっているので、氏に対する横からの攻撃的なコメントはご遠慮ください。僕の記事、僕の発言に対する批判はいつでも受けますが、ゲスト同士の批判合戦が起きうるような場にはしたくありませんので。
      またボクサーに対する過度に攻撃的なコメントもご遠慮ください。不特定多数の読者が気持ちよく利用できるよう配慮をお願いいたします。

  10. hanasora permalink

    うーん、管理人さんのファンで、今回もほぼ同意見という意味で書いたのですが真意が伝わらず残念です。
    今後は巡回を控えさせていただきます。非常に残念。
    最後に一言

    >「ロマゴンとやらないから」ではありません。「ロマゴンとやらなければいけない状況を自ら作り出したのに>その義務を果たしていないから」

    これは言葉のマジックで詭弁です。両方とも同じことを言っています。

    • 詭弁だとは思いません。井岡が持っているのがWBC王座であればこんな批判は存在しえませんから。彼がロマゴンと「やってほしい」ではなく「やるべきだ」と言われるのは彼が保有するのがWBAタイトルであり、しかも決定戦を戦う前から統一戦を義務付けられていたことを陣営が承知していたからです。
      しかしどうやら完全にすれ違っているようですので、あまり議論を長引かせても双方無益でしょう。

      当ブログは来る者拒まず去る者追わずです。また訪問されたりコメントされた場合でも僕は歓迎します。批判も拝聴しますし、時には反論もします。
      本日はありがとうございました。

  11. hanasora permalink

    井岡が先日ロマゴン戦を回避し、今回の防衛線に臨んだことは当然だと思いますね。陣営からも「今はまだその時期じゃない」という発言があったはず。育てる過程というのはあるはずで、時期じゃないのに無理なマッチメークで将来のある選手を潰す愚はありません。これはあの兄弟のケースとは違う。特に長男の場合は三階級制覇とうたっているわけで、そのような「偉大な」ボクサーが相手を選んではいけない。今回、井岡は強敵を避けた。それは事実ですが、いずれ「誰とでも闘う」というボクサーになってほしいですね。

    • 心無い罵倒は論外として、今彼が批判されているのは「ロマゴンとやらないから」ではありません。「ロマゴンとやらなければいけない状況を自ら作り出したのにその義務を果たしていないから」です。あの兄弟は全然関係ないし記事で言及もしていません。
      すなわち、昨年の段階で「この試合の勝者は即スーパー王者と統一戦をする」という指令が出ていたのを承知しながらWBAタイトルを獲り、入札日まで指定されながらなんだか分からない取引で対戦を避けたからです。当然帝拳も完全な共犯者ですから批判の対象になります。
      その上で僕は井岡一翔を高く評価しているからこそ言葉を吟味して批判するのであり、どうでもいいボクサーにはどうでもいいことしか言わないということは付け加えておきます。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。