Skip to content

クラッシュ! クレヴァリーvsコヴァレフ 結果

2013年8月18日

WBOライトヘビー級王者ネイサン・クレヴァリー。国外では地味な存在ながらいつの間にやら五度の防衛を果たし、一戦一戦着実に成長を続けるウェールズの若きチャンプだ。“機は熟した”そう判断した陣営は彼を英国の枠を超えて売り出すべく、アメリカHBOでの試合中継という大チャンスを引っ張りこんだ。勝てばビッグマッチ待遇での米国進出が待っているであろう大一番を実現させたわけだ。しかしHBOは金も出すが口も出す。海外のタイトルマッチをわざわざ放送するからには、挑戦者にも相応のクォリティを求めるのが彼らのやり方だ。かくしてクレヴァリーは過去最強の挑戦者を迎えることとなった。

セルゲイ・“クラッシャー”・コヴァレフ。

過去記事でも取り上げたロシアの新怪物が、意気揚々とウェールズの地に乗り込んできたのである。およそ一年前まで無名かつ試されていない新鋭に過ぎなかったコヴァレフだが、米国でのインプレッシブなKO勝利3連発を経て今やライトヘビーの次世代を担う逸材ではとまで期待されつつある。生き残るのは英国の若き王者か、それともロシアンモンスターか? 無敗同士の豪華対決は驚きの結末を迎えた。

cleverly_vs_kovalev_1_20130817_1328746309

試合開始直後から挑戦者が一気に仕掛ける。判定など考えていないとばかりに強打を振るいまくるコヴァレフに対し、王者は冷静かつ堅実な守りと伸びのあるジャブで対抗。ポイントは明らかにコヴァレフながら、ディフェンディングチャンピオンのプライドも同時に感じさせる初回となった。

続く2Rもコヴァレフの攻勢が目立つが、王者の堅守は乱れない。両者とも動きにキレがありコンディションの良さを感じさせた。

だがその均衡は3R後半に崩れる。それもあっという間の崩壊劇だった。クレヴァリーが無造作に左を伸ばしたその時、爆弾のような右が王者の顔面を撃ち抜く。見る見る間に腰砕けになった王者をこの怪物的挑戦者が見逃すはずもなく、豪雨のような連打が英国人をキャンパスに送った。なんとか立ち上がったクレヴァリーだがコヴァレフの詰めは鋭く、前のめりに二度目のダウン。事実上ここで勝負は決まった。

命からがら3Rを生き延びた王者だったが、この深刻なダメージが1分で癒えるはずもない。4R開始直後からコヴァレフがラッシュすると、耐え切れず崩れた地元王者に対しレフェリーは慈悲深いストップを宣告。文句なしの完璧な王座交代劇となった。

cleverly_vs_kovalev_4_20130817_1465227932地元の大観衆の前で前王者となってしまったクレヴァリーの作戦は明白だった。強力なパワーを持ち序盤決着の多いコヴァレフのスタートダッシュをしのぎ、相手を疲れさせて持久戦に持ち込む。そうなれば長丁場の経験が豊富な自分が優位に立つ。この作戦自体は何も間違っていない。リング内でのクレヴァリーの動きも間違っていない。ただただ誤算だったのは、目の前のロシアンファイターは彼らの想像以上の怪物だったということだ。

パンチの強さばかりが喧伝されがちなコヴァレフだが、この試合では単なるパワーパンチャーとしてだけでなく総合力の高さを見せつけた。連打の回転の速さと多彩さ、そして的確さ。攻勢の中でも確かな防御、そして一発頼みに陥ることのない分厚く精力的な攻め。付け入る隙がないのではと思ってしまうほど強みばかりが目立っていた。まさにロシアンクラッシャーだ。そして今日も無慈悲なまでの詰めの鋭さが光っていた。クレヴァリーほど堅実な相手を前にしても、一度崩してしまえば後は雪崩か洪水のごとく。相手にしてみればほとんど天災のような男だ。

この勝利で一気にスターダムに手をかけたコヴァレフには間違いなく大きな舞台が待っている。長年地味階級と言われてきたライトヘビーだが、ドーソンを一撃KOしたスティーブンソンといい魅力的な駒が揃ってきた。そのスティーブンソンは9月28日にパワーファイターのクラウドと初防衛戦を予定している。俄然ライトヘビーが面白くなってきたのではないだろうか。

 

広告
コメントする

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。