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スターへの道いかに ゴロフキンvsスティーブンス結果

2013年11月3日

2013年も残すところあと6分の1。信じ難いことだが、もうそんなにも時間が経ってしまった。それにしちゃ暑すぎないか? なんて話は置いといて、この時期になるとファイトオブザイヤーやファイターオブザイヤーの議論がにわかに活気を増してくる。カザフの怪物ゲナディ・ゴロフキンはそうしたトークの対象になるだろうか?

答えはNOだ。最近の彼の試合はあまりに一方的すぎて決して年間最高試合の候補には上がらない。そして対戦相手の質を考えた時――いかに世界戦4勝という実績を残したとはいえ――年間最優秀選手の栄冠に選ばれることもないだろう。しかし、この一年で最も新たなファンを掴んだ選手、最も鮮烈にブレイクした選手という物差しならばこのGGG、他の誰にも劣ってはいない。今やゴロフキンにかかる期待の大きさは大変なものになりつつある。今年の締めくくりとなるカーティス・スティーブンス戦、これはゲナディにとって通算4度目、今年3度目のHBO登場だ。HBOデビューとなったプロクサ戦では互いの知名度不足故に悲惨な視聴率をマークしたカザフの王者だが、試合のたびに強烈なインパクトを残し着実に世界的な注目度を増しつつある。

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ニューヨークのMSGシアターはほぼ満員の4618人の観衆によって埋め尽くされた。(なおNYボクシングの聖地と言われるMSGはこのシアターに併設されているスポーツアリーナであり、最大収容人数は2万人にも及ぶ。)地元出身のスティーブンスはもちろん大きな歓声を浴びていたが、声量ならむしろカザフスタン系と思しきゴロフキンファンの方が勝っていたほど。GGGの名前がいかに彼らに浸透しつつあるかを象徴する光景だった。オッズは20-1という猛烈な大差で王者を支持。挑戦者スティーブンスの勝利は豪腕に任せた特攻スタイル以外には恐らくない。だからこそ絶対に退屈な試合にはならないと期待された一戦は、まさにその期待通りの面白さになった。

結果からすればGGGの圧倒的な完勝だ。スティーブンスが勝ちそうな気配が感じられる瞬間は全くなかった。それでもスティーブンスの奮闘と健闘は大いに讃えられるべきだろう。初回から王者の破壊力を一切恐れず、ガッチリとガードを固めつつジャブをスリップして己の強打を叩きこむ。相手の猛攻は鉄のブロックで防ぎきり、重さたっぷりの返しのフックを狙う。およそスティーブンスは挑戦者としてやるべきことをすべてやってみせた。そのプランも闘志も戦力も大したものだった。しかし結果は完敗。ゴロフキンのほうが、優れていた。

またこの試合でGGGは今まで謎だった部分の一部に答えを出した。強打者スティーブンスのフックをいくつかまともに食いながらペースを落とさず攻め続けたことで、ある程度以上のアゴの強さを備えていることを証明したのだ。これはゴロフキンにコンプリートパッケージであって欲しい信奉者にとっては大きな朗報だろう。ただし逆に言えばディフェンス面でのある種の隙を垣間見せたと言えなくもない。また攻撃のテンポを落とさない強みも見方によってはリズムを読まれやすい欠点になりうる。決して技巧派ではないスティーブンスだが、ゴロフキンの攻撃パターンをある程度掴んでその隙間に効果的な反撃を行うことが多少なりともできていた。一流のスピードボクサーであればそれらの点を突いてボックスを完遂できる可能性が、以前より見えてきたかもしれない。

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もちろんそれは単なる粗探しでしかないとも言える。どう見たってこの王者は怪物的に強い。しかし思えば過去のGGGの犠牲者たちは最初から呑まれていたか、堂々打ち合いに応じてくれたある意味で都合の良い相手ばかり。ゴロフキンが真のスーパースターに駆け上がるためには、マルケスにとってのブラッドリーのようなあらゆる意味で都合の良くない相手に勝利する必要があるのではないか。ボクサーの価値は倒してきた相手の価値で決まるとするならば、今の彼を超一流のカテゴリーに入れるのはまだ早い。

慌てなくていい、答えはもうすぐ出る。もはや彼はドイツの会議室で人知れず防衛戦を消化する無名王者ではなく、世界最大のボクシング・プラットフォームにサポートされる金の卵なのだ。大舞台は必ずやってくる。そしてゴロフキン陣営は彼をスターダムに押し上げるための最も優れたやり方をよく知っている。

戦い続けるということ。ゴロフキンは今年4戦をこなした上に、来年2月1日のモナコで次の防衛戦を予定している。近年の世界王者としては稀に見るハイペースだ。彼は決してビッグマッチの機会を指をくわえて待ちはしない。あらゆる相手を倒しまくり、露出と名声をひたすら高め、自分の拳で栄光を掴みとりに行くのだ。この姿勢こそスターを目指さんとする全てのボクサーが見習うべき点ではないだろうか。

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5件のコメント
  1. バッテラ permalink

    今後はビッグネームとの対戦を観てみたいですね。彼にとってもステージを上げていくチャンスですし。

  2. KOKO permalink

    スティーブンス、北米王者で初めて聞く名前でしたが、試合前大口叩いてただけあって、GGGの防衛戦の中では、一番頑張ったのではないですか?点差は開いてましたが、スティーブンスも結構いい選手ですね。ミドルにしては小さいですが。カネロ(173、4?)よりも小さいでしょうかね。村田はいずれこの選手とやってみても面白いのではないかと思いました。
    GGGはある意味、かつてのホプキンスみたいですね(笑)ホプキンスと違うのは、試合ぶりとキャラ。GGGは英語も頑張ってるみたいですし、カザフ人というステータスは不利な面もあるでしょうが、善玉キャラでいけそうなので、米国での人気が出て欲しいですね。

    • スティーブンスは好選手ですよ。またチャンスが来て欲しいですし、必ず来ると思います。あのサイズなのでSウェルターに落とせるのならそちらの方が優利でしょうけど。
      ゴロフキンの人気は着実に向上してきているという話をちょくちょく聞きます。来年は勝負の年でしょう。

  3. 良く分析されていますね、
    自分もゴロフキンは凄い選手でテクニックも充分な選手だと思います。
    まともな相手はマルチナスとクイリンでしょうか? クイリンでもスチーブンスみたいにやられそうです。体調万全状態でマルチネスならと言う気もしますが・・・難しいでしょうね

    • 2014年はゴロフキンに本当の証明の機会が訪れる年だと思います。その相手が誰かまではわかりませんが……。
      彼が真のスターになれるか楽しみですね。

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