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2013年怒涛のビッグノックアウト15連発!!

正月休みも終わりでテンションが落ちているそこのあなた。わしもじゃ、わしもじゃよ……。というわけでテンション爆上がり間違いなしの2013年鮮烈KOを手当たり次第集めてみました。あなたが選ぶノックアウト・オブ・ザ・イヤーはどれ?

※表示がかなり重くなっているので、古いPCをお使いの方はご注意下さい。

 

アドニス・スティーブンソンvsチャド・ドーソン

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特選プロスペクト総まとめ Part 2

Part 1ではある程度キャリアを積んだ成熟済みのプロスペクトを取り上げた。このPart 2ではまだまだ未知数の、しかし大きな可能性が詰まった駆け出しの新鋭達をピックアップしていく。気が付けば実に総勢28名! さすがにキリがないので画像やリンクは省略します……。

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特選プロスペクト総まとめ Part 1

2013年はボクシング史に燦々と輝くビンテージ・イヤーになった。次から次へと繰り出されるビッグマッチ、好カードの数々と期待に違わぬ熱戦の連続。これほど最初から最後まで楽しめた1年はどれほど久しぶりだろうか? もちろん今年の総括をするにはまだ東京・大阪それぞれで開かれる大晦日興行の結果を待たねばならないが、21世紀に入って以来最高のボクシングイヤーの一つだったということは自信を持って断言できる。

ではこの盛り上がりは黄昏の斜陽スポーツが最後に見せた儚い打ち上げ花火だったのか? 違う。その証拠に、次世代を担ってくれるであろう一級のホープたちが次から次へとプロのリングに現れているのだから。

本ブログでは2014年中にも世界獲りに挑むかもしれない成熟したホープをPart 1で、今後の成長が期待できるフレッシュな新星をPart 2で取り上げて行きたい。二つのカテゴリーの間に明白な線引きはない。プロで一戦しかしていないのにPart 1に属する「あの男」もいるし、試合数は多くともまだ当分下積みが続きそうな若手はPart 2に挙げている。

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スターへの道いかに ゴロフキンvsスティーブンス結果

2013年も残すところあと6分の1。信じ難いことだが、もうそんなにも時間が経ってしまった。それにしちゃ暑すぎないか? なんて話は置いといて、この時期になるとファイトオブザイヤーやファイターオブザイヤーの議論がにわかに活気を増してくる。カザフの怪物ゲナディ・ゴロフキンはそうしたトークの対象になるだろうか?

答えはNOだ。最近の彼の試合はあまりに一方的すぎて決して年間最高試合の候補には上がらない。そして対戦相手の質を考えた時――いかに世界戦4勝という実績を残したとはいえ――年間最優秀選手の栄冠に選ばれることもないだろう。しかし、この一年で最も新たなファンを掴んだ選手、最も鮮烈にブレイクした選手という物差しならばこのGGG、他の誰にも劣ってはいない。今やゴロフキンにかかる期待の大きさは大変なものになりつつある。今年の締めくくりとなるカーティス・スティーブンス戦、これはゲナディにとって通算4度目、今年3度目のHBO登場だ。HBOデビューとなったプロクサ戦では互いの知名度不足故に悲惨な視聴率をマークしたカザフの王者だが、試合のたびに強烈なインパクトを残し着実に世界的な注目度を増しつつある。

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シベリアン・ロッキーの咆哮 アルバラードvsプロボドニコフ

ズン、ズン、ズシン。プロボドニコフのパンチは実に良い音で響く。彼は決してマティセーやゴロフキンのようなワンパンチ・フィニッシャーではないが、その拳は岩のように硬く、重い。ゆえに一発一発が容赦なく鍛え上げられた一流ボクサーの肉体に深い傷跡を残していく。ブランドン・リオスとの激闘を生き抜いたタフガイ、マイク・アルバラードとてその例外ではなかった。キャリア初のダウン、そして精魂尽き果てた上でのギブアップ。まさにアルバラードは破壊された。シベリアからやってきた無骨な男の拳によって。

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マルケスvsブラッドリー レビューと雑感

「パッキャオを破った男」二人の激突。力量は互角、実績と下馬評はマルケスながら、実際のリングの上では残酷なまでの相性の差が出ることとなった。

bradley-marquez (16)マルケスがペースらしきものを握っていたのは初回のみ。以降はほぼ全ての時間ブラッドリーが優位を保ったまま試合は進んだ。個々のラウンドはその多くが競っており、マルケスに幾らかのポイントが流れたのも当然だが、逆に言えばマルケスが取ったラウンドは微差の内容でかろうじて攻勢点を評価されたというものがほとんど。盤石のディフェンスを保ち多くのジャブをヒットさせ、与えたダメージでも明白に上回った“デザート・ストーム”の勝利に疑いの余地はない。マルケスに115-113をつけたジャッジはよほどアウトボクサーが嫌いだったのだろう。個人的には117-111で王者の防衛を支持。

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続々襲来・ロンドン金メダリスト達

中国のツータイム・ゴールドメダリストであるゾウ・シミンのプロ転向は大きな驚きを持って迎えられた。日本の村田諒太のプロ入りもまた日本スポーツ界きってのビッグニュースとなった。今、ロンドン五輪の頂点を極めた男たちが次々とプライズファイトの世界に足を踏み入れつつある。男子10階級の金メダストのうち実に7人までもがプロ転向を決断したのだ。そういうわけで数年後の業界地図を確実に塗り替えるであろう彼らの顔ぶれを今一度振り返っておこう。なお階級表記はロンドン五輪でのものであり、プロでの活動階級とは必ずしも一致しない。

 

ゾウ・シミン(ライトフライ級/中国)

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中国史上初のボクシング金メダリストにして五輪連覇を成し遂げた英雄。そのアマルールに特化した独特のパワーレススタイル、81年生まれという年齢の高さ。あらゆる意味でプロ向きではないと考えられていたが、今年4月ボブ・アラムのプロモートの元マカオで電撃デビューを果たす。その両肩にかかった期待はリング内でのパフォーマンスに対してというよりむしろ来るべき中国市場開拓の尖兵としての役割のほうが大きい。しかしあの変則ボクシングが上位クラスにもそのまま通用するのであれば意外な旋風を巻き起こすかもしれない。名匠フレディ・ローチの手腕にも注目が集まる。

 

ルーク・キャンベル(バンタム級/イギリス)

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地元英国に金色の栄冠をもたらした童顔の26歳。金メダルが地の利によるフロックでないことは世界選手権準優勝、欧州選手権優勝という実績が証明済みだ。プロではまだ2戦をこなしたのみだがその正統派アップライトスタイルの完成度はかなり高く、近い将来王者クラスにとっても大きな脅威となりうる攻防兼備のバランス型。不安点は英国選手としては階級が軽いという事実が人気面で及ぼす影響ぐらいか?

 

ヴァシル・ロマチェンコ(ライト級/ウクライナ)

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言わずと知れたアマチュアボクシング界の生ける伝説、パウンド・フォー・パウンドがこの男。五輪、世界選手権をダブル2連覇というのは常軌を逸したキャリアだ。そのアマ戦績は396勝1敗。これは書き間違いではない。自信溢れるロマチェンコ陣営がプロデビュー戦に選んだ相手は25勝3敗のメキシカン ホセ・ラミレス。直近の試合ではレイ・バウティスタに敵地で判定勝ちを収めた正真正銘の世界ランカーだ。勝てば同日行われるサリドvsクルスのWBOフェザー級王座決定戦の勝者への挑戦が既定路線となっている。プロ2戦目での世界王座獲得となればこれはもちろんセンサクの3戦目を上回る世界記録。彼がこれほど早いステップアップを望む理由は単にアマでの実績によるものだけではない。マイク・タイソンに影響を受けたそのファイトスタイルが既に極めてプロ向きに完成されているからだ。求められるスタイルチェンジの質と量が小さいならば肩慣らしのためのチューンナップバウトなど必要ない、ロマチェンコはそう確信している。前人未到の領域に挑むアマチュア界のキングオブキングスが一体何を見せてくれるのか、興味は尽きない。

 

村田諒太(ミドル級/日本)

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今更村田についてあれこれ書いても皆さん耳タコだろうから基礎的なところから繰り返しはしない。ただし不安点はある。フジテレビの全面バックアップを受け全試合地上波生中継が予定されている村田のマッチメークは、ある意味極めて強い縛りが掛けられているということだ。プロキャリアの初期からこうした環境に身を置くことが長期的に良い結果をもたらすかどうか現段階では何も言えない。もちろん最重要は村田本人の力量だが、帝拳とトップランクの手腕も大いに試されている。三迫ジム? あああったなあそんな名前……。

 

イゴール・メコンツェフ(ライトヘビー級/ロシア)

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現アマチュア界最強のビッグパンチャーと言えばこの男。新WBO王者コヴァレフといいこの辺りの階級でロシア人は滅法強いが、中でもメコンツェフは怪物的存在だ。間違いなくプロでも即戦力として通用するだろう。不安点は今年で29歳とやや高齢なことだが、だからこそスピード出世が期待できる。なおこのメコンツェフを含めプロ入りを表明した金メダリスト7人のうち実に4人までもがトップランクと契約。アラムの海外進出計画がボクシング界に小さからぬ波をもたらしているのは確かのようだ。

 

オレクサンドル・ウシク(ヘビー級/ウクライナ)

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盟友ロマチェンコに追随しトップランク入りすると見られていたが、結果的には母国を代表するプロモーションであるK2(クリチコが二人の意味)と契約を結んだ。ホラー映画的なインパクトのあるルックス、タフで頑強なファイトぶり。実にプロ向きでエキサイティングな要素が詰まっている。ただししばらくはウクライナを拠点として活動することを考えると、広く世界の人々の目に触れるのは当分先の話になりそうだ。とりあえず目つきヤバイ。

 

アンソニー・ジョシュア(スーパーヘビー級/イギリス)

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プロデビュー戦を終えたばかりで早くもポストクリチコ時代の本命とまで目されつつあるナイジェリア系イギリス人の超新星。初めてグラブをはめてから金メダルを獲得するまでに要した時間はわずか4年にすぎない。まだまだ技術的には荒削りながら198センチ104キロのヘラクレスボディー、その巨体に見合わぬ躍動感と俊敏さ、槍のように突き刺さるジャブと爆弾のような右、端正で精悍なルックス。およそスターに求められるすべての要素が詰まっている大器の中の大器だ。はたして彼は母国の大先輩レノックス・ルイスの再来なのか、それともオードリー・ハリソン2世なのか? その大きな背中にはもっと大きな期待が背負われている。

スウィート・サイエンス:メイウェザーvsカネロ レビュー

メイウェザーの強さ、上手さ、凄さは誰もが知っている。戦う相手が昇竜のニュースターカネロ・アルバレスであっても“マネー”メイウェザーが有利であることに疑いの余地はなかった。それでもここまで完璧で、甘美で、優雅なパフォーマンスを今日見ることになると予想した者がどれほどいただろうか? 一人奇妙なジャッジがいたおかげでマジョリティデシジョンというおかしな結果になってしまったが、現実のリングではフロイド・メイウェザーが完全なる勝利。12ラウンドを通じてメヒコの若武者に大きなチャンスが訪れることはついになかった。45戦全勝。現代の生ける伝説が、その誉れ高き軌跡にまた新たな一章を加えてみせた。

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The One: Mayweather vs Canelo

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※せっかく最後まで書いた記事が操作ミスで綺麗サッパリ消えてしまったので超簡易版でお届けいたします。

ついにその時がやってくる。当代最高のパウンド・フォー・パウンドvs若きスーパースター。現在のボクシング界が実現しうる最大の、ぶっちぎりの、超特大メガトンビッグマッチがいよいよその時を迎えるのだ。

ファイトマネーは挑戦者の立場となるカネロでも500万ドル、メイウェザーに至ってはなんと4150万ドルの最低保証額を得る。両者にはもちろんPPVの売り上げに応じた歩合も支払われる。そのPPV売上が過去最高記録であるデラホーヤvsメイウェザーの255万件を抜くかどうかというのも大きな話題だ。

会場のチケットが一瞬で完売したのは当然だが、驚くべきはダフ屋の相場。末席まで含めた平均価格2000ドルオーバーというのは今年行われたNBAファイナル第7戦の2倍に達するプレミアぶりであり、アメリカの歴代スポーツイベント全てと比較しても3度のNFLスーパーボウルに続く歴代4位のプラチナチケットなのだという。リングサイドは2万ドル越えだ。

メイ勝利のオッズはおよそ1.35~1.5倍程度。優利には違いないが、近年の彼の他の試合と比べれば遥かに掛け率は拮抗している。例えばゲレーロ戦では1.15倍でコット戦でもほぼ同等と、ほとんどやる前から結果が見えているかのような数字だったことを思えば、メヒコのニューヒーローにかかる期待の大きさは生半可では無い。

とはいえ専門家や識者の多くはメイウェザーの判定勝利を予想する。技術と経験の厚みを見れば当然の結論だ。一方でカネロの勢い、ポテンシャルはやはり侮れない。

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クラッシュ! クレヴァリーvsコヴァレフ 結果

WBOライトヘビー級王者ネイサン・クレヴァリー。国外では地味な存在ながらいつの間にやら五度の防衛を果たし、一戦一戦着実に成長を続けるウェールズの若きチャンプだ。“機は熟した”そう判断した陣営は彼を英国の枠を超えて売り出すべく、アメリカHBOでの試合中継という大チャンスを引っ張りこんだ。勝てばビッグマッチ待遇での米国進出が待っているであろう大一番を実現させたわけだ。しかしHBOは金も出すが口も出す。海外のタイトルマッチをわざわざ放送するからには、挑戦者にも相応のクォリティを求めるのが彼らのやり方だ。かくしてクレヴァリーは過去最強の挑戦者を迎えることとなった。

セルゲイ・“クラッシャー”・コヴァレフ。

過去記事でも取り上げたロシアの新怪物が、意気揚々とウェールズの地に乗り込んできたのである。およそ一年前まで無名かつ試されていない新鋭に過ぎなかったコヴァレフだが、米国でのインプレッシブなKO勝利3連発を経て今やライトヘビーの次世代を担う逸材ではとまで期待されつつある。生き残るのは英国の若き王者か、それともロシアンモンスターか? 無敗同士の豪華対決は驚きの結末を迎えた。

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